高志の国文学館

KOSHINOKUNI Museum of Literature

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お知らせ

現在開催中の企画展「歌人大伴家持―現在と響き合う詩心」では、4月18日(水)から作品・資料の一部(全16点)を入れ替えました。

金沢文庫本『万葉集』巻19断簡 (複製) 高岡市万葉歴史館蔵
『萬葉集』巻六断簡 四半切 高岡市万葉歴史館蔵
幡(復元) 染司よしおか蔵
伎楽衣装・伎楽面 【酔胡王】(復元) 東大寺蔵
伎楽衣装・伎楽面 【呉女2】(復元) 東大寺蔵
伎楽衣装・伎楽面 【波羅門】(復元) 東大寺蔵
伎楽衣装・伎楽面 【迦楼羅】(復元) 東大寺蔵
『詩品』 石川県立図書館蔵
『懐風藻』(版本) 富山市立図書館蔵
『詩経』(版本) 富山県立図書館蔵
『六臣註 文選』(版本) 石川県立図書館蔵
『寛永版本万葉集』(版本) 高志の国文学館蔵

新たな資料のなかからいくつかご紹介します。

 

①『萬葉集』巻六断簡 四半切(高岡市万葉歴史館蔵)

鎌倉時代頃に書写された『万葉集』の断簡で、掛軸に仕立てられています。伝藤原為家(ためいえ)筆との伝承があります。ここに書かれている家持の歌「たまきはる命は知らず松が枝を結ぶ情は長くとそ思ふ」(巻6・1043)は、天平16年(744)正月11日に、活道(いくぢ)の岡(恭仁京の近くか)にあった松の木の下に集って宴会をした時に詠まれたもので、長寿を祈る気持ちが表れています。

 

②伎楽衣装・伎楽面(再現)(東大寺蔵)

音楽を伴う仮面劇である伎楽は、奈良時代、大きな寺院の法会などの際にさかんに演じられました。滑稽なしぐさや内容を含むものだったと考えられています。吉岡幸雄氏により現代に再現された衣装は、古代の色や模様が、植物染料により鮮やかに再現されています。おしゃれで豪華な伎楽衣装と、表情豊かな伎楽面は必見です。次の4体が新たになりました。

【酔胡王】数名の従者を引き連れて登場し、酒宴を繰り広げる酔胡王は、鼻が高く、赤い顔をしています。

【波羅門】バラモンはインドにおける最上位の階級である僧侶です。自身のおむつを洗う滑稽な所作を演じたと言われています。

【迦楼羅】インド神話に登場する霊鳥が前身で、仏法の守護神の一人とされました。緑色の顔には鶏冠とくちばしがあり、オケラをついばむ滑稽な所作を演じたそうです。

【呉女】呉の国の女性である呉女は、伎楽で唯一の女性役で、未婚女性の髪型である双髻を結っています。前期に展示した呉女とは衣装デザインが異なります。

 

③『詩品(しひん)』(石川県立図書館蔵)

梁の鍾嶸(しょうこう)(469頃~518頃)が、古詩および漢から梁までの詩人120余人の代表的な五言詩を、上中下の三品に格付けして論評を加えた詩論書で、劉勰(りゅうきょう)の『文心雕竜』と並んで、文学評論史上に重要な位置をしめています。国文学者・川口久雄氏の旧蔵書。

 

④『懐風藻』(富山市立図書館蔵)

天平勝宝3年(751)成立と見られる、現存する日本最古の漢詩集です。作者は文武天皇、諸王、官人、僧侶など64名にわたり、なかには大伴旅人などの万葉歌人の漢詩も収録されています。本書は富山市出身の国語学者で国文学者・山田孝雄(よしお)の旧蔵で、天和4年(1684)に刊行された版本です。

 

⑤『詩経』(富山県立図書館蔵)

現存する中国最古の詩集で、諸国の民謡(風)、朝廷の音楽(雅)、祖先の徳を讃える詩(頌)など305編の詩が収録されたものです。家持の歌には、『詩経』収録の詩(「桃夭」など)との関連性をうかがわせるものがいくつかあります。本書は、富山藩校である広徳館から出版された「四書五経」のうちの一冊です。慶応3年(1867)刊。

 

家持の歌や、万葉の時代をイメージさせるさまざまな作品・資料を展示している今回の企画展も、残りわずかとなりました。前期に一度ご覧になった方も、まだご覧になっていない方も、ぜひ一度足をお運びください。

 

≪新作の万葉絵画を初公開!≫

4月25日(水)から、常設展示室に新作の越中万葉絵画を展示しました。

【越中万葉絵画】牧進(まきすすむ)「堅香子(かたかご)の花」

日本画家の牧進氏が、家持の歌「物部の八十少女らが汲みまがふ寺井の上の堅香子の花」(巻19・4143 歌意:物部の多くの少女たちが入り乱れて水を汲む、その寺井のほとりの堅香子の花よ。)をモチーフに描いた作品です。

完成後、初めての展示公開となります。この機会にぜひご鑑賞いただき、家持の歌の風景に思いをはせてみてはいかがでしょうか。