黒部峡谷は、黒部川の浸食によって形成された日本一深いV字谷です。トロッコ電車の愛称で知られる黒部峡谷鉄道が峡谷を縫うように走ります。大正14年(1925)、登山家の冠松次郎は、黒部峡谷をはじめて完遡し、後に『黒部谿谷』を著しました。
黒部峡谷は豊かな温泉にも恵まれ、富山にゆかりの深かった昭和の詩人・田中冬二は、黒部峡谷の秘湯・黒薙温泉をたびたび訪れて『くずの花』などの詩を残しました。黒部峡谷の玄関口にある宇奈月温泉には、開湯以来、多くの文人墨客から愛されてきた歴史があり、志賀直哉が小説『早春の旅』で描いたほか、歌人の与謝野寛・晶子夫婦や宮柊二・英子夫婦、西脇順三郎らも訪れました。
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黒部峡谷鉄道 |
黒薙温泉 |