展示情報
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宮沢賢治 童話への旅
「銀河鉄道の夜」や「風の又三郎」など、数多くの童話や詩を残した宮沢賢治。自然との交感を扱った豊穣な作品世界は、今も読む者の想像力を刺激し、魅了し続けています。
本展では賢治童話の舞台を写真パネルでたどるほか、賢治童話の世界を絵本原画や映像を交え、多面的に紹介します。また、賢治の足跡を振り返るための資料も充実。「石っこ賢さん」と呼ばれるくらいに収集に熱中していた鉱物、家族との貴重な写真や賢治が描いた絵、両親に宛てた書簡などをご覧いただきます。中でも、賢治が愛用し、実像に迫る重要な書き込みが多く残されている「雨ニモマケズ」手帳は、北陸初公開です。
「ほんとうの幸い」とは何か。賢治の童話作品を手がかりとして、探求する旅に出てみませんか。

宮沢賢治自筆の「雨ニモマケズ」手帳ほか、北陸初公開!
門外不出とされる宮沢賢治の自筆資料(林風舎蔵)が、「宮沢賢治 童話への旅」展(5月25日(土)~7月15日(月・祝)、高志の国文学館)で、北陸初公開されます。期間限定での公開となる資料もありますので、お見逃しなく!
主な初公開資料は以下の通り。( )内は自筆資料展示期間。期間外は複製を展示。
宮沢賢治の弟、清六氏の孫にあたる宮澤和樹氏(株式会社林風舎代表)が本展開会式(5月25日(土))に合わせて来県。宮澤氏によるオープニング・ギャラリートーク(11:00~)を開催します。ぜひお越しください。

賢治の代表作14作品を絵本原画でたどる!
「宮沢賢治童話への旅」展(5月25日(土)~7月15日(月)、高志の国文学館)では、宮沢賢治の代表作14作品を絵本原画70点で紹介します。賢治の童話世界を絵本画家の多彩な表現と共にお楽しみください。
主な絵本原画展示作品は以下のとおりです。
『セロ弾きのゴーシュ』(さとうあや、ミキハウス)
『ざしき童子(わらし)のはなし』(伊勢英子、講談社)
『気のいい火山弾』(田中清代、ミキハウス)
『やまなし』(川上和生、ミキハウス)
『雪わたり』(方緒良、ミキハウス)
『風の又三郎』(伊勢英子、くもん出版)
『どんぐりと山猫』(田島征三、ミキハウス)
『注文の多い料理店』(スズキコージ、ミキハウス)
『オツベルと象』(荒井良二、ミキハウス)
『なめとこ山の熊』(あべ弘士、ミキハウス)
『よだかの星』(ささめやゆき、ミキハウス)
『雨ニモマケズ』(柚木沙弥郎、ミキハウス)
『銀河鉄道の夜』(東逸子、くもん出版)
『ポラーノの広場』(小林敏也、パロル社)
この他に、『ポラーノの広場』(小林敏也、パロル社)の原画を用いたスタンプラリーなども開催しています。ぜひご家族でご来館ください。

おわら風の盆の画家 林秋路(はやし あきじ)特集

ヘルン文庫コーナー「ラフカディオ・ハーンの再話作品(日本の怪談)」
「耳なし芳一」「むじな」「ろくろ首」「雪女」など、『怪談』に収められたこれらの物語は、一般的にハーンの代表作としてよく知られています。これらは、日本の昔話や伝説などをもとに、ハーンが独自の表現で書き直した文学作品であり、「再話」と呼ばれるものです。
明治23年(1890)に来日して以降、日本の昔話や伝説に関心を抱くようになったハーンは、来日後第1作『知られぬ日本の面影』(1894年)において、その土地の伝承を語りの形で作品中に取り込み、『霊の日本』(1899年)からは、4篇の独立した再話作品を書きました。翌年の『影』からは、再話作品6篇を著作の柱として巻頭に掲げるようになり、続く『日本雑録』(1901年)には6篇、『骨董』(1902年)には9篇、『怪談』(1904年)には最多の14篇の再話作品を収めるに至りました。なかでも、晩年の『骨董』『怪談』収録の再話物語は、作品としての完成度が高く評価されています。
妻セツの回想記『思ひ出の記』には「幽霊滝の伝説」(『骨董』所収)の登場人物のセリフをセツに何度も繰り返させ、その言い方や声の調子はどうだったか、などと本にないことまで2人で相談したことが語られています。登場人物に人間的な肉付けが与えられ、物語にリアリティが生れていく過程がうかがえます。
〈ヘルン文庫について〉
高志の国文学館は、富山県の「ふるさと文学の総合窓口」の役割を果たす一環として、富山大学に伝わる「ヘルン文庫」を紹介するコーナーを、常設展示室に設けています。
ヘルン文庫は、明治期の日本を海外に紹介した、小泉八雲ことラフカディオ・ハーンの旧蔵書からなる大変意義深い文庫です。
これまでに常設展をご覧いただいた方も、この機会にぜひお越しください。