過去の常設展
PAST PERMANENT Exhibition
新資料紹介 生誕90年 柏原兵三―恩師との書簡と同人雑誌「運河」
2023年6月30日(金)〜2024年6月24日(月)
終了しました
- 展示場所
- ふるさと文学の蔵①
- 主な展示資料
- 同人雑誌「運河」、ドイツ文学者・斎藤栄治教授に宛てて柏原兵三が送った書簡、「夏休みの繪」と「長い道」の紹介パネルなど
柏原兵三(1933~1972)は、「徳山道助の帰郷」で第58回芥川賞を受賞しました。少年期に父の故郷である富山県下新川郡入善町に疎開した体験をもとに描いた小説「長い道」では、したたかな子どもたちの社会を生き生きと描いています。「長い道」はのちに藤子不二雄Ⓐの漫画「少年時代」の原作となり、篠田正浩監督「少年時代」として映画化されました。
高志の国文学館では、2022年に開館10周年記念企画展「没後50年 芥川賞作家 柏原兵三展」を開催しました。企画展をきっかけに、このたび、柏原兵三の東京大学時代の恩師で、同人雑誌「運河」の顧問ともいうべき立場にあったドイツ文学者・斎藤栄治教授に宛てて柏原兵三が送った書簡13通を、斎藤栄治教授の次女、松崎美沙氏より寄贈いただきました。
2023年は、柏原兵三の生誕90年に当たります。この機会に新たに受贈した書簡を公開します。あわせて、柏原兵三旧蔵資料(当館蔵)より、斎藤栄治教授から受け取った書簡や柏原が大学の友人たちとともに創刊した同人雑誌「運河」などを展示します。
今回の展示では、令和5年度富山大学人文学部開講「博物館実習」履修学生の皆さんの協力を得て、柏原兵三が「運河」に連載した小説「夏休みの繪」と「長い道」の紹介パネルを制作し、キャプションの作成や展示作業を行います。学生の皆さんが注目した小説の見どころを、ぜひあわせてご覧ください。