展示情報

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開催中の企画展

高志の国文学館開館10周年記念企画展・G7教育大臣会合開催記念「百人一首 ― 和歌と美の世界 展」

恋の歌、四季の歌など、王朝文化の粋と美意識が凝縮された詞華集(しかしゅう)の世界へ 


 



 かるた遊びなどで幅広い世代に親しまれてきた「百人一首」は、飛鳥時代から鎌倉初期に至るまでの優れた歌人百人の和歌を、『古今和歌集』以下の勅撰集の中からそれぞれ一首ずつ選んだものです。

 本展では、これまでの研究成果をふまえつつ、時代を超えて読み継がれる百人一首の魅力と文化的な広がりについて、美術館、図書館、個人所蔵の貴重なコレクションを通じてご紹介します。歌仙絵、かるた、浮世絵など、百人一首の多彩な世界をお楽しみいただくとともに、日本人の繊細な自然感覚や美意識の源流である美しい和歌の世界をあらためてご鑑賞ください。





開催中の常設展

山根青鬼の色紙と漫画

令和5年2月22日(水)~令和5年6月26日(月)
 漫画家・山根青鬼(やまね あおおに)は、昭和10年(1935)、東京赤坂に双子の兄として生まれ、昭和20年(1945)に、母の郷里である富山県下新川郡泊町(現・朝日町)に疎開しました。
 昭和24年(1949)、双子の弟・山根赤鬼とともに人気漫画「のらくろ」の作者である田河水泡(たがわ すいほう)の門下生となり、平成元年(1989)に「のらくろ」の執筆権を継承しました。

 現在は、森下文化センター田河水泡・のらくろ館発行の「のらくろ便り」に「のらくろちゃん」を連載、西東京医師協同組合の機関誌「nic」に「ドクター・ドジ」を50年連載するなど、執筆活動を続けています。

 本展示では、開館10周年を記念して、開館当初から毎年寄贈いただいてきた干支の色紙のすべてを一堂に展示するとともに、デビュー作「北日坊や」や、代表作「めだかちゃん」、「おやじバンザイ」などの掲載誌やコミックス、また、富山ゆかりの作品を紹介します。

 あわせて、インタビュー映像「漫画は笑えるもの、心を豊かにするもの」(令和4年、高志の国文学館制作、約8分)を上映いたします。






開催中の常設展

富山を描いた文学作品-富山文学地図(4)

令和4年6月24日(金)~令和5年6月下旬


富山では、天平18年(746年)に越中守となった大伴家持以来、千年以上営々と文学作品が紡ぎだされてきました。



今回の展示では、富山県ゆかりの文学者がどのように富山を描いたのかを散文作品を通して紹介します。



富山の美しい山河を描いた作品には、大井冷光の童話「雲の子供」や、辺見じゅんの「花子のくにの歳時記」、宮本輝「螢川」などがあります。



富山の風土を背景とした人間模様を描いた作品には、三島霜川「水郷」、小寺菊子「河原の対面」、須山ユキヱ「延段」、堀田善衞「鶴のいた庭」、柏原兵三「長い道」、瀧口修造「三夢三話」、木崎さと子「青桐」、久世光彦「時を呼ぶ声」などがあります。富山での原体験を胸に、中央の文壇で活躍した作家の作品には、保守的な気質への反発と進取性、変革への強い意志が感じられます。



また、地元の富山に居を定め、地元の歴史と文化に目を向けた作品には、マルキシズムと親鸞の思想を背景に主人公の精神性に迫る岩倉政治の「無告の記」、教員を経て作家となり郷土の物語を次代につなぐ遠藤和子の「オロロのいる村」などがあります。