展示情報

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開催中の企画展

高志の国文学館開館10周年記念企画展「荒井良二のPICTURE BOOK<絵・本>」 

高志の国文学館では、令和4年6月25日(土)より、高志の国文学館開館10周年記念企画展「荒井良二のPICTURE BOOK<絵・本> 」を開催します。

世界で注目を集める絵本作家のひとり、荒井良二(1956~)。
2001年のアメリカ同時多発テロ事件から生まれた『はっぴいさん』、東日本大震災をきっかけに描かれた『あさになったのでまどをあけますよ』など、時代をみつめた絵本作品は大きな反響をよびました。

日本絵本賞大賞やボローニャ国際児童図書展特別賞など国内外で数々の賞を受賞し、2005年には、児童文学や青少年向けの文学作品にあたえられる、スウェーデンの世界的な文学賞であるアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を日本人ではじめて受賞しました。
豊かな色彩と繰り返す言葉のリズムが特徴的な荒井の絵本は、子どものみならず、かつて子どもであった大人を含めて幅広い世代に人気を誇っています。本質的なものをそっと差し出すような荒井の作品は、誰の心にも響く深い感動を届けてくれます。

本展は、高志の国文学館開館10周年を記念した、はじめての絵本展です。初期から最近までの代表作を通して、何気ない日常の中にこそ生きる喜びや希望があることに気づかせてくれる、荒井の絵本の世界をお楽しみいただきます。






開催中の常設展

おわら風の盆の画家 林秋路(はやし あきじ)特集

令和4年6月24日(金)~10月24日(月)


 富山県八尾町で9月1日から3日にかけて行われる「おわら風の盆」は、情緒豊かな音曲と踊りで知られる秋の風物詩です。



 八尾町出身の林秋路(1903~1974)は、このおわらを題材とした多くの書画や版画を世に残しました。絵葉書やポスター、踊り方の図解などを描いて「おわら風の盆」の宣伝や普及に貢献したほか、おわら節の歌詞の制作も行うなど、生涯を通じておわらと深い関わりを持ちました。



 秋路の作品には、踊り手や地方(じかた:演奏者、歌い手)のしなやかな動きが美しい線で表現されており、絵に添えられた書(おわら歌詞)にも独特の味わいがあります。町の風景や四季のなかに息づくおわらを描いた数々の作品は、八尾の風土のそのものの魅力を伝える無二の存在だといえます。



 本展では、おわら風の盆をテーマにした書画、版画を中心に展示します。秋路による独創的で情感あふれるおわら風の盆の世界をお楽しみください。あわせて、秋路の俳句についてもご紹介します。


開催中の常設展

富山を描いた文学作品-富山文学地図(4)

令和4年6月24日(金)~令和5年6月下旬


富山では、天平18年(746年)に越中守となった大伴家持以来、千年以上営々と文学作品が紡ぎだされてきました。



今回の展示では、富山県ゆかりの文学者がどのように富山を描いたのかを散文作品を通して紹介します。



富山の美しい山河を描いた作品には、大井冷光の童話「雲の子供」や、辺見じゅんの「花子のくにの歳時記」、宮本輝「螢川」などがあります。



富山の風土を背景とした人間模様を描いた作品には、三島霜川「水郷」、小寺菊子「河原の対面」、須山ユキヱ「延段」、堀田善衞「鶴のいた庭」、柏原兵三「長い道」、瀧口修造「三夢三話」、木崎さと子「青桐」、久世光彦「時を呼ぶ声」などがあります。富山での原体験を胸に、中央の文壇で活躍した作家の作品には、保守的な気質への反発と進取性、変革への強い意志が感じられます。



また、地元の富山に居を定め、地元の歴史と文化に目を向けた作品には、マルキシズムと親鸞の思想を背景に主人公の精神性に迫る岩倉政治の「無告の記」、教員を経て作家となり郷土の物語を次代につなぐ遠藤和子の「オロロのいる村」などがあります。
開催中の常設展

ヘルン文庫コーナー「ラフカディオ・ハーンの再話作品(日本の怪談)」

開催期間:令和4年8月3日(水)~12月26日(月)

 「耳なし芳一」「むじな」「ろくろ首」「雪女」など、『怪談』に収められたこれらの物語は、一般的にハーンの代表作としてよく知られています。これらは、日本の昔話や伝説などをもとに、ハーンが独自の表現で書き直した文学作品であり、「再話」と呼ばれるものです。



 明治23年(1890)に来日して以降、日本の昔話や伝説に関心を抱くようになったハーンは、来日後第1作『知られぬ日本の面影』(1894年)において、その土地の伝承を語りの形で作品中に取り込み、『霊の日本』(1899年)からは、4篇の独立した再話作品を書きました。翌年の『影』からは、再話作品6篇を著作の柱として巻頭に掲げるようになり、続く『日本雑録』(1901年)には6篇、『骨董』(1902年)には9篇、『怪談』(1904年)には最多の14篇の再話作品を収めるに至りました。なかでも、晩年の『骨董』『怪談』収録の再話物語は、作品としての完成度が高く評価されています。


 妻セツの回想記『思ひ出の記』には「幽霊滝の伝説」(『骨董』所収)の登場人物のセリフをセツに何度も繰り返させ、その言い方や声の調子はどうだったか、などと本にないことまで2人で相談したことが語られています。登場人物に人間的な肉付けが与えられ、物語にリアリティが生れていく過程がうかがえます。





〈ヘルン文庫について〉


 高志の国文学館は、富山県の「ふるさと文学の総合窓口」の役割を果たす一環として、富山大学に伝わる「ヘルン文庫」を紹介するコーナーを、常設展示室に設けています。


 ヘルン文庫は、明治期の日本を海外に紹介した、小泉八雲ことラフカディオ・ハーンの旧蔵書からなる大変意義深い文庫です。


 これまでに常設展をご覧いただいた方も、この機会にぜひお越しください。